聖書のお話2025.03.30
聖書:Iサムエル26章1-12,21-25 題:悪に打ち勝つ 中心聖句:悪に負けてはいけません。むしろ、善をもって悪に打ち勝ちなさい。 ローマ12:21 賛美:367 イエスよ この身を 説教者:グレイ恵子信徒教師 おはようございます。先日、ラジオ放送を聞いておりましたら、アウシュビッツ強制収容所から奇跡的に生き残った女性のスピーチが紹介されました。今年、1月27日で解放から80年を迎えた記念式典での挨拶ですが、それは予想外でした。その方はナチス・ドイツの行った惨たらしい惨事には触れずに、最後は次のように結びました。「憎しみは、憎しみをもたらします。私たちは、憎しみ合うことをやめなければなりません。」ここには世界平和の真髄が語られていたではないでしょうか。本当にその通りですが、私たちは、どうしたら憎しみを捨てることができるのでしょうか。どのように、悪に打ち勝つことができるでしょうか。それは、容易いことではありません。 みなさんも御存知のように、サウル王は、イスラエルに与えられた最初の王でした。しかし、二度にわたる神への不従順の罪(13:13ー14,15: 9)によって、イスラエルの王位から退かされてしまいました。次に王としての油注ぎを与えられたのが、エッサイの子ダビデでした。ダビデの上には、その日以来、主の霊が激しく下り、一方、サウルからは、主の霊が去り、主からのわざわいの霊が彼を脅かし始めたのです。(16:13ー14)そのような状況の中、おびえる王を慰める為に、呼ばれたのがダビデでした。彼は、自分の特技である竪琴をもって、サウルを慰めたのです。そのようなダビデを王は大切に思ったことでしょう。しかし、その王の思いは、あることを通して、憎しみへと変えられてしまったのです。 それは、ダビデがあのペリシテ人ゴリアテに勝ち、サウル率いる軍隊が凱旋した時のことです。町では女たちがお祭り気分で琴やタンバリンをもって迎えましたが、その時、女たちは、笑いながら次のように歌い交わしたのです。「サウルは千を討ち、ダビデは万を討った。」この女たちの交わした言葉は、サウルのこころに激しく突き刺さり、「あれにないのは王位だけだ。」(18:8)と激しい怒りと妬みに燃えたのでした。それ以来、サウルはダビデを敵対視、いつ...